[ とりのうた: 5 editions ]

小鳥のさえずりを聞きながら公園を散歩していると、足元の小枝に文字のようなものが見えてきました。 それらを集めて写真に撮り、架空のアルファベットに見立てて文章にしました。 書道のように見えるこれらの文字は何の意味もありませんが、出来上がった構成は、まるで自然が発した言葉のようです。

岡ノ谷一夫博士は、言語の起源は鳥の鳴き声のような音楽的なものだったのではないかと考え、ジュウシマツの鳴き声の構造を研究しています*。もしこの音楽的な言葉を理解できたなら、人間以外の生物、鳥、昆虫、植物が「話す」言葉の集合体からは何が聞こえるのでしょうか。

想像上の小枝のアルファベットは、薄い和紙(鳥の子)の両面にリトグラフで微妙に色を変えて印刷されています。 近くの木や遠くの木から聞こえてくる鳥の鳴き声の重なりをイメージして、印刷されたイメージが紙の層から透けて見えるようにしました。 和紙の軽さを生かすために、冊子に綴じないで透明なアクリルチューブに入れました。

*『小鳥の歌からヒトの言葉へ』 (岩波科学ライブラリー) 岡野谷一夫 著

2014/ Tokyo
Edition of 5
9 sheets

Dimensions (open) 420 x 550 mm
Dimensions (closed, if applicable) 80 x 80 x 495 mm

Medium / Techniques
Lithograph, letterpress, japanese paper (torinoko), acryl tube
Lithograph printed by Kawalabo! (Masahiro Kawara + Sachie Hirakawa)


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