高橋洋子さんの研究員コーナーより

研究員コーナーには、それぞれが持ち寄った本が置かれています。その中から1、2冊を選んで紹介してもらいました。こちらは高橋洋子さんの本です。

ロラン・バルト〈偶景〉
ロランバルトは「小説の準備」と題して「俳句」の講義をしていたらしく物語の文体を考える上で俳句形式を魅力的な長さと考えていたらしいです。偶景(アンシダン)とは〈ミニ・テクスト、短い書きつけ、寸描〉のことで物語になる途中の細かな断片の寄せ集めでできた本です。今回の冊子にも偶景から短い断片をいくつか引用していて自分が試みている俳句との親和性を感じて今回展示しました。(高橋)

レイモン・クノー〈文体練習
言い換え・読み換え・書き換え・を駆使してひとつの些細な出来事を99通りの書き換えによって構成した本です。シュールの流れをくむクノーは「潜在文学工房」ウリポの中心人物で、ウリポは言葉遊びの実験集団です。自分が試みている俳句もあーだこーだと言い換えたり組み替えたり削ったりして面白がっているので、少し「文体練習」に似ていると思いました。(高橋)

高橋洋子さんについてはこちらを。
作品はTOMOSONLINEでも取り扱っています。

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