大古瀬和美さんによる自作カーボン紙(転写紙)の研究

〝若い頃、新しい画材があると手に入れて延々実験をしていた。ある時、毎日、初めて触る物のように画材に向き合えれば紙と鉛筆だけで見たことがない線が描けると気付く。また、何も気負いなく、描くことだけに没頭できるほど慣れ親しんだ画材の良さにも気付く。

コロナ騒動によるステイホームに従っていた2020年の夏、久しぶりに画材実験して過ごした。子供の頃から使っているクレヨン、クレパスや水性クレヨン、キットパスを、クッキングペーパーに塗り込んだ自作カーボンで様々な紙に傷を転写していった。転写した残りの顔料もアイロンの熱でさらに転写を繰り返した。描画に向いていない紙にも顔料が乗るのは面白く生まれて初めてトイレットペーパーに描いたり。慣れ親しんだ画材の新しい使い方を探って、毎日数十枚描いていた若い時分の気分を思い出していた。(大古瀬)〟

自由課題のページではその他のカーボン紙研究の画像が見られます。大古瀬さんの作品はギャラリー2TOMOSONLINEでもご覧になれます。

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